手伝いの種類について

大きな仕事は基本的には葬儀社のスタッフが担当しますので、喪家の関係者が手伝いで任される仕事としては「受付係・会計係・お茶、炊事係・駐車場係など」が挙げられます。役割によって仕事内容はもちろんの事、意識すべき事も変わってきます。
まず初めに受付係についてですが、受付係は基本的に二名以上から担当します。主な役割は、会場の出入り口付近で弔問客や参列者を出迎え受付をする事です。芳名帳に記帳するよう促し香典の受け取りもします。その際に香典返しが即返しの場合には返礼品を直接渡すのも受付係の役割です。
受付係と兼任で担当することも多いのが、会計係です。基本的には受付係と同じく二名以上から担当します。主な役割は、受付係が弔問客から預かった香典を管理する事ですが喪主から依頼があった場合には香典を開封して中身を確認し、香典帳に金額の記入・計算などする場合もあります。香典の開封を喪主が行う場合には、香典の管理を行い最後にまとめ終わった時点で喪主や指定された管理者に渡します。
お茶係と炊事係と聞くとどちらも一緒の様な気がしてしまいますが、お茶係は弔問客を待合室に案内しお茶やお茶菓子をふるまうのが主な役割で、基本的には一名から二名程度で担当します。炊事係は基本的に二名以上で担当し、自宅でお葬式を行う場合に食事を出したり、飲み物を補充したり食器の片付けなどをします。近年都心部では自宅で葬儀を行う事が減ってきていますが、地域によっては昔からのしきたりや風習がある場合もありますので、炊事係を頼まれた際にはよく確認する事が大切です。
駐車場係は一番負担が大きい役割と言えます。基本的には一名から二名程度で担当しますが、長時間屋外にいる必要があるので暑い時期や寒い時期には体力的な負担が大きく、交代制にする場合もあります。主な役割は、車で来場した弔問客を駐車場に誘導したり、駐車場内で駐車位置の指示を仰いだりする事です。また、葬儀場と駐車場が離れていて分かりずらい場合には最寄りの交差点などに立ち弔問客を誘導する事も役割に含まれています。

依頼相手と心づけについて

一般的には手伝いの依頼相手は親戚や友人・会社の関係者・近所の方などが挙げられますが、都合が合えば誰でも良いという訳でもありません。それを踏まえ係ごとに依頼すべき人とその理由をお伝えします。
受付係は手際の良さが求められるので、葬儀の流れに慣れた方にお願いする場合が多い傾向にあります。性別はあまり関係ありませんが、注意すべき点として受付係を担当すると葬儀が始まってもすぐには参加出来ないので近しい人には依頼しないのがマナーです。その点を踏まえ近所の方や、会社の関係者の方に引き受けて貰う場合が多いです。
会計係はお金を取り扱う役割なので信頼できる方にお願いするのが一般的です。受付係と同様、葬儀が始まってもすぐには参加出来ないので故人の家族や近い親戚には依頼しないのがマナーです。未然にトラブルを防ぐ為、立場が違う方同士の二名以上で依頼するのが一般的です。遠い親戚または友人などに依頼する事が多いでしょう。※受付係と会計係に関しては、香典を取扱いますので葬儀社では請け負いません。※
お茶係と炊事係は台所仕事を行うので女性が手伝うのが一般的です。仕事が多く、会場から離席する場面も多いので近しい人には依頼せずに親戚や地域の風習に詳しい近所の方、友人に依頼する場合が多いです。来場する人数によっては人手が多い方が良い場合もありますので手の空いている女性が進んで手伝う場面も見られます。
駐車場係は先に述べた通り、長時間屋外で立ったままの役割になるので男性が担当する場合が多いです。遅れて来る人に備えて開始時刻になっても駐車場で待機する事もありますので近しい人には依頼しません。友人や会社の関係の方などで、比較的若く体力のある男性にお願いする事が多いでしょう。
最後に、依頼相手の目途がついた際には、訃報を伝える時に「お忙しい中大変申し訳ございませんが、葬儀のお手伝いをお願いできないでしょうか」などと添え、先に相手の都合を確認します。相手が了承して下さった場合には頼みたい手伝いの内容を伝えます。相手が辞意を示した場合には相手の都合や状況などを理解し、気にしないで欲しいという旨を伝え、気持ちの負担を与えないようにしましょう。頼める方がどうしてもいないという場合には事前に葬儀社に相談してみて下さい。

手伝いをお願いした方にどのようなお礼をすれば良いのか、また必ず金品でのお礼をすべきかは悩む点のひとつです。実際には地域の風習や考え方が違う為、一概にこれといった決まりはありません。ですが一般的には、葬儀における手伝いはお互い様の事と考え、お礼を言って済ます事もマナー違反という事にはなりません。しかし、それでは気持ちが収まらないと思ったり、何かしら形として感謝の気持ちを表したいという場合には三千円から五千円程度の金額を包むか、相当の金額の商品券やお礼の品を香典返しと一緒に渡すと良いでしょう。また、この際のお札は香典とは違い新札と旧札どちらでも構いません。半紙に包むか、白い無地の封筒に薄墨で「心づけ」「志」「寸志」などと記載するのが本来の包み方になります。
いずれの形で感謝の気持ちを伝えるにしても、お手伝いはどれも大変な役割であり依頼した方の時間を頂いている訳ですから、感謝の気持ちはしっかりと伝えたいです。