家族葬とはどのような葬儀？
近年、家族葬などの比較的規模が小さい葬儀を行う方が増えています。お葬式の形式が違えば流れや費用、メリット・デメリットそして注意すべき点も他の形式とは異なる部分が出てきます。家族葬は参列する方を限定するため、家族葬に参列する機会は必然的に少なくなりますので詳しいことはご存知ない方も多いというのが現実です。
家族葬について、はっきりとした定義があるわけではありません。ですが一般的には家族葬は身内や親族などを中心に少人数で行うお葬式の形式を意味しています。近年では約3～4割程度のご家庭が家族葬で葬儀を執り行われていると言われています。家族葬は家族や親族以外の方々には、基本的に参列をご遠慮いただくので一般参列者への気遣いやもてなしをすることがないということが特徴のひとつとして挙げられ、小規模な葬儀ということで家族葬は費用総額が少なくなるというイメージをお持ちの方が多いようですが、実質的な負担分を考えると費用総額が少ないとも言えない場合もありますので注意が必要です。
家族葬といっても、どこまでを参列者の範囲とするかについて決まりはなく、各家族の考え方や親族とのお付き合いの程度などによって異なります。家族葬において、どこまでを参列者の範囲とするかは主に、家族のみの参列・家族と一部の親族のみの参列・家族と親族全ての参列に分別できます。声を掛けるか掛けないか判断に迷った場合には、声を掛けておいた方が無難でしょう。声を掛けても実際に参列するかどうかは相手の判断次第ですから声を掛けなかったことにより、後々に呼んだ呼ばなかったというようなトラブルになることは出来る限り避けたいところです。
家族葬のメリット、デメリットとは？
何事にもメリットとデメリットの両面があります。それは葬儀においても同じことが言えます。ここからは家族葬のメリット、デメリットについてお伝えいたします。
家族葬のメリットのひとつめとしては式場が小さくて済むということが挙げられます。少人数で行う葬儀が家族葬ですので、必然的に必要な式場のスペースも小さく済みます。そのため、式場利用料も一般葬に比べて安く済む傾向にあります。ふたつめのメリットとして、心身の負担を軽減できるということが挙げられます。家族葬であれば一般の参列者に対して気を遣ったり、挨拶をしたりすることがない分、一般葬と比較して精神的にも身体的にも負担が軽くなります。また、故人とのお別れの時間をより大切に過ごせるというのも大きなメリットでしょう。家族葬では一般参列者への挨拶などといった対応で時間を取られることが少ないので、故人との最期の時間に専念することが出来ます。また、金額面のメリットですが見積額と請求額に差異が生じにくいという点が挙げられます。一般葬において見積額と請求額で差異が生じやすいのは、実際の会葬者数によって変動する料理や返礼品などの代金です。この点においては家族葬では基本的に家族と親族のみの葬儀であり、会葬者数の予想も大きく外れることは少ないため見積額と請求額に差異が生じにくくなります。この為、過剰に料理を用意してしまい料理が余ってしまうという事態も発生しにくくなります。
家族葬のデメリットとして、参列したかった方が参列できない可能性もあるという点が挙げられます。その為、参列出来なかったことを残念に思う方や不満に感じる方が出てきてしまう可能性があります。解決策としては、事前・事後に家族葬で行う趣旨について充分に説明し理解していただくようにしましょう。また、葬儀後の弔問対応におわれるという点も家族葬ならではのデメリットと言えるでしょう。家族葬が終わった後には訃報を聞いた方々が自宅や職場へ弔問に来られることがあります。この弔問は不定期な場合がほとんどであり、対応する家族にとっては負担やストレスになりかねません。解決策として、家族葬が終わった後に葬儀は家族葬で済ませたことに加え、弔問や香典は遠慮いたしますという内容の案内を可能な限り思いつく関係各先に送付する方法があります。それでも弔問に来られる方もいるかもしれませんので、対応できるよう暫くの間は返礼品は自宅にストックしておくようにしましょう。
一般葬と比べ家計からの実質的負担額が高額となる可能性もあります。家族葬では一般の参列者からいただく御香典収入がほとんどありません。このため、一般葬に比べ家族葬は家計からの実質的な負担額が大きくなってしまう場合もあります。解決策として葬儀社に見積書を出してもらう際に、実質的な負担額がいくらになるのかという点も確認をしておく必要があります。もし、実質的な負担額が予算的に厳しいようであれば、葬儀内容の見直しをすることが解決に繋がるひとつの方法です。
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